「ナナメの関係」NPOカタリバ 代表 今村久美さんの活動から
2012年 10月 24日
あの苦しかった10代、わたしにも「ナナメの関係」があったら、と切に思った。そのナナメの関係とは、縦の関係(親、先生)とも横の関係(友人、同級生)とは違った視点で付き合える関係のこと。
海外と美術に興味を持ち始めた中学生時代。周りには、海外留学の経験者も、絵を描いて稼いでる人もいなかった。希望はあるのに、どうしたらいいのかもわからないまま、進路選択を突きつけられていた。本当にせまい知識と選択肢の中で、苦しかったな。結局は、親の方が根負けしたのと、進学校の公立に落ちて、行きたかった私立高校に行けたけど…(英語のコースがあった)。あの時もっと、「こんな大人がいるんだ!」と体感できていたら、周りとは違う自分の考えももっと、肯定できていたかもなあと思う。
と、ふと中学生時代を思い出したきっかけは、「NPOカタリバ」代表、今村久美さんの活動。10月20日放送の『グラン・ジュテ〜私が跳んだ日〜』(NHK Eテレ)に出演されていた。
「学校」と「社会」を出会わせる「NPOカタリバ」は、大学を卒業した今村さんと友人が設立、大学生を中心としたボランティアメンバーが、高校に出向いて授業を行うというもの。毎日会う親やクラスメートとは違って、少し距離のある立場の人に、逆に話しやすかったりするというのも、経験ないだろうか。カタリバの授業は、そういった話しやすいナナメの関係を活用している。
(詳細は以下HPをどうぞ)
NPOカタリバ
人だったり考え方だったり、出会いがその後の歩みを変えることが多々ある。その〈他者=普段出会わない人〉との出会いが、自分をより深く知るきっかけになったり、選択肢を広げたり、選ぶべきものに気づかせたりするからだ。
そして、この種の出会いは、大人になってからのわたしの背中をぐいぐい押してくれるものだった。30歳を目前に控えた、躊躇していたオーストラリア行きも、自分が主催する憧れのフォトジャーナリストの講演会も、鍵となる人たちとの出会いがなければ「無理だろう」と諦めたままだっただろう。
自分のナナメ先を行く、人生の先輩方との出会いは、大人にだって必要だ。そういう出会いは、多少の痛みも伴うのが事実。自分の甘ったれたところ、足りないところにも気づかされるから、ヒリヒリ痛い。でも、これに気づけば、次に何をしたらいいのかより明確になるのも事実。成長への布石なのだ。
ナナメの関係。
ちょっと今後のキーワード。(ひとりごと)