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昨日のブログで、”同じ考え方、感じ方をするのが当然でしょ、という集団が怖い”と書いた。
そういう集団を、「チームではなくグループ」と言うのは、
ザ・チーム ー日本の一番大きな問題を解くー』の著者、齋藤ウィリアム浩幸氏。

日本のバックグラウンドを持って、アメリカで育った彼が、
二つの国の違いを元に、日本に必要なものを示していく。
その必要なものとは、”チーム”。

彼の定義では、グループは”同質な人の集団”で、
チームは、”異質な才能がある目的の下に集まって構成”されたもの。
グループでは、上の意見に従い、それぞれの意見や考えの交換はない。
一方、チームでは元々考えが異なるのだから、衝突が起きる。
本気で議論すれば、衝突は避けられない。その摩擦こそ、イマジネーションを刺激して
新しいアイデアが出てくるのだと、そこに書かれている。

大きな成果をもたらしたチームの例に、第二次世界大戦中、
世界最強の暗号エニグマを解読したチームもあった。
(先日観た映画、『イミテーション・ゲーム』の話だ!)
ここには、言語、数学などに限らず、クロスワードパズルやチェスの才能を
発揮した人たちまでいた。
異質な人たちが集まれば、その数だけ視点が増える。
それが一分野の人たちだけ集まったのだったら、結果は違っただろう。


また、意外だったのは、チームとして働くには、
「お互いの弱みを知っていること」。
誰だって弱みはあるのだろうけど、それを知られていいの!?と思った。
でも、それを話すことでお互いを知り信頼関係が生まれてくるのだそうだ。
そして、弱みを知れば、お互いに何を補えばいいのか見えてくる。
そうすれば、自分の強みにもっと集中できるようになるのかもしれない。
(今気付いたのだけど、だからだ!アメリカにいた頃、
自分の得意不得意なことについて、ほとんどの人がはっきりと自覚していることに驚いた。
それを周りも認めていたし、そのおかげで、得意なことをどんどん伸ばしていける環境でもあった。
日本を出る前は、自分の好き嫌いを知ってるつもりでもいた。
そして、平均点をあげたくて苦手なことを頑張ろうとしていた。
ある程度は役に立つのかもしれないけど、
強みをもっと強化した方が、全体の底上げにつながったりする。
平均点を上げるのと、それは似ているようで全く違う。

著者の印象として、日本では弱みを質問すると”ありません”という人が多いそうだが、
これは”グループ”としての集団でいる場面に慣れてしまっているからではないだろうか。
自分たちと違うところを叩こうとする集団にいたら、それでは弱みなんか見せられない。
だから余計に、”チーム”が出来にくい仕組みになっていたのかも。


サブタイトルに「日本の」と入っていて、わたしが読むには範囲が広すぎるのでは、
探している答えを導いてくれる何かがあるかしら、と思ったのだけど、読んで正解だった。

わたしが感じている違和感は、気付かないフリをしなくてもいいし、
それ自体がおかしいことではない、と思えたのがまず第一歩。

そこから、次をどうするかは決めないと。

今の自分は何を持っていて、強みは何なのか。
逆に弱みは?
そこから全部棚卸し。



さてさてふふー





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by komatsukyoko | 2015-08-02 23:47 | Books
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何を食べるかっていうのは、どんな時間を過ごすかということと同義。
そして、食事はその時の自分の状態をも見せてくれる。

映画の中でも、食事のシーンは登場人物の関係性や状況を表している。お皿の上に載る料理が映るのは一瞬だったり短い時間だけど、目を凝らして見てしまう。そして、願ってしまうこともある。「ああ、わたしの席もあったらなあ!」と。

そんなふうにおなかを空かせるのは、フードスタイリストの飯島奈美さんの料理だ。
『かもめ食堂』『めがね』『プール』『ハンサムスーツ』『南極料理人』…など、わたしが見た映画の中で、料理が印象的だったものの多くを彼女が手がけていた!
飯島さんの料理が出てくるシーンは、登場人物たちからうれしさがにじみ出ている。確かにおいしそうなんだけど、もっとなにか秘密があるんじゃないのだろうか??

その”秘密”が、飯島奈美さんの本、『シネマ食堂』を開くとよくわかる。彼女の徹底した下準備はもちろん、料理に対しての情熱やひたむきさがたっぷり感じられるから。
その料理の撮影を手がけたのは、写真家の山崎エリナさん。テーブルの上で、今まさによそわれるご飯、鍋に入った完成直後の一品、食べる直前のフォークが伸びたお皿…もう、ライブなのだ。匂いや湯気が自分の鼻先をかすめそう。その料理を口にほおばるのが誰なのか、まるで顔まで思い浮かびそうなものばかり。

飯島奈美さん自身がスタイリングを手がけた料理はもちろん、飯島さんが好きな映画の料理を再現したものもたっぷり眺められます。(再現というよりも、飯島さんの映画へのオマージュ!)

どんな料理を、誰と一緒に食べるのか。作った料理を、誰に食べてもらいたいか。そんなふうに、「食事」という時間の過ごし方を改めて考えさせてくれる本です。見てると、おなかも鳴っちゃう。おすすめです。
「シネマ食堂」
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by komatsukyoko | 2013-07-02 23:46 | Books
一気に一冊読み切ってしまった!
それは、旅人のバイブル的存在、「深夜特急 ⑴香港・マカオ」(沢木耕太郎著)。

実は今まで未読。大学の頃に、先輩に勧められたことはあった。が、生意気にも「人気のある本なんか読みたくない!」とかなんとか気取って結局読まず終いでいた…(バカ…!)

上のことも思い出し、中国の旅番組をたまたまテレビで見かけたりでなんとなく気になって買ってみた。

はじまりは、旅の緊張感と倦怠感の葛藤のようなシーン。そして、ねっとりとした熱気に包まれる香港から旅は始まる。まるで自分がその場所にいるかのような臨場感。

主人公・沢木が感じる一人旅の孤独も、それと一緒に手に入れる自由と身軽さも、わたし自身経験したことがある。その経験のぶんだけ、沢木の言葉がまるで自分のことを語っているかのような錯覚すら覚えた。


もしも、長い旅に出る前のあの頃に読んでいたら…、今のように沢木の言葉にうなずきながら読み進められただろうか。このタイミングだからこそ、体に染み込む言葉がある。
必要な時に、必要なタイミングで物事はやってくるのかもしれない。





…いや、でも、今度勧められたら素直に読んでみよう…。



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深夜特急⑴
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by komatsukyoko | 2013-01-13 23:46 | Books
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旅の理由、それは、自分自身を自由にするため。

たかのてるこさんは、著書「ジプシーにようこそ!」でそう書いている。

たかのさんといえば、東京で会社員を続けながら、有給で世界各国を旅しそれを本として出版し続けてきた方。
この本に描かれている旅先ルーマニアで、その旅のスタイル=生き方をもっと自分らしく変える決心をしたのだった。

会社を辞め、「旅人・エッセイスト」として生きること。



本の中で、たかのさんが出会ったジプシーたちは、本当に自由気まま!それ、自分勝手じゃん!と旅のはじめのたかのさんのように、わたしも読みながらツッコミをいれたくなるほど。しかし、その気ままというのは自分に正直、ということ。とんでもないハプニング続きから始まったその旅も、日数が進むにつれ、たかのさんのジプシーたちへ対する理解と尊敬が深くなっていく。

そして、土地の人たちと仲良くなっていく姿は、今回も健在!これは、毎回読んでて本当にすごいと思う。わたしの場合、見知らぬ土地ならなおさら、相手に拒否されたら、という不安や怖さに負けてしまったりするから。たかのさんは、旅を終える頃には、家族や長年の友人のようになっているのだ。

最も共感を覚え、親しみを感じた部分は、旅は自分自身を見つめ直すきっかけになっているというところ。旅慣れた、経験豊富なたかのさんもやはり悩み模索しているのだった。
常に新しいものや人との出会いであふれている旅。しかし、そこから見つけるのは、自分の探していた問いの答えやそのヒント。
どっぷり浸かっていた日常から離れ、全く違う常識と対面することで自分の常識がいったん壊される。そこからまた新しい考えを構築してけばいい。それが、旅のもたらしてくれる「自由」。「こうじゃなきゃいけない」という思い込みから解き放ってくれる。


現在も、新しい旅の話を執筆中のたかのさん。最近では、TVやラジオへの出演も増えてきた。本もTVもいいけれど、やっぱりまた直接お会いしたい!一度、2012年の旅祭というイベントでちらっとお会いしましたが、明るい大きなパワーの持ち主です!たかのさんの笑顔は、旅する気持ちをかなり元気にしてくれます!






たかのさんの著書で初めて読んだのは、「ガンジス河でバタフライ 」(幻冬舎文庫) !
20代半ば、ものすごい衝撃を受けました。「こんな人もいるんだ!」と。
他にも出ているので、検索してみてください〜。
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by komatsukyoko | 2013-01-07 23:22 | Books
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「地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方」安藤竜二著

ものすごい勢いとパワーの溢れる本!一気に最後まで読み切ってしまった。

著者である安藤竜二氏は、ブランディングプロデューサー。
「サムライ日本プロジェクト」を立ち上げ、地域の“心意気ある”商品を日本へ世界へ発信している。

そんな安藤氏は、異色の経歴の持ち主。地元 愛知県岡崎市の高校を卒業した後、ロックスターになろうと上京。しかし挫折し、岡崎市に帰郷。材木会社に入社し、作業員から営業マンに転身、そして、社内で家具ブランドの立ち上げをする。これがきっかけとなりフリープロデューサーとして上京、活躍する。2006年、再び岡崎市に戻り自身の会社を設立、07年に先のプロジェクトを立ち上げ、現在も勢力的に活動している。

「地域振興」「街おこし」など、今でこそあちこちで耳にはするが、わたしの知るものは行政の手の入ったものだった。商品を作るところまでは、だいたいできる。しかし、その販路を拡大していくには、さまざまな制約や限界がすぐ近くにあるように感じていた。下手をすれば、一回のお祭りをやって「よかったね」と終わるような、次につなげられないもの、というのがわたしの知る、もしくは見てきた「地域振興」だった。

しかし、安藤氏が立ち上げたプロジェクトは全く違った。目的地は「世界」。地域を日本国内はもちろん、世界へと発信する。それゆえ、誰でもこのプロジェクトに関われる訳ではない。全部任せっきりにお願いされる訳ではなく、同じ目的を持つ同等のパートナーとして頂上を目指せること。
これは一見厳しいようだが、間口を狭めることで後の活動がやりやすくなるようにしている。誰でも受け入れざるを得ない状態にしてしまうと、集まる人たちの志にばらつきが出てしまう。結果お互いのためにならないことを、安藤氏は経験から知っていた。

「世界へ発信する」という目的に対しても、材木会社の営業時代に身につけた肌感覚やスキルが役立っていて、ニューヨークでのフェアにも商品を持参…と実現させてしまう。

そして、これだけ動けると「押しの強い人なのかな」と思いそうにもなるが、これは間違いだろう。
情熱や真剣さは、文章からもストレートに伝わる。しかし、周りの話も聞ける人なのだな、とすぐわかる。(語弊があったらごめんなさい!でも、実際ちゃんと人の話を聞くというのは難しいし、なかなか本当にできる人と出会わないので書きました!)
プロジェクトに関わる作り手(地域メーカー)たちの魅力を、会話の中に見つけるのが本当にうまいのだ!そして、何が外に向けて魅力となるかも知り得ている。これは、地元や日本の外へ出たからこそ身につけた感覚でもあるのだろう。身近なものほど、遠く離れた時によくわかる。(わたしも海外に行って、逆に日本や地元のことを知った。)


本の最後の方には、具体的なブランドづくりのやり方も載っている。これメインで一冊出してたら買うかもな…と思ったくらいだった!
なによりも、体当たりで、必死で、泥くさくて、しかし、ものすごく運動神経のいい仕事っぷりが伝わる本でした。

安藤氏の講演会、参加してみたい!!!
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by komatsukyoko | 2012-12-03 22:47 | Books


これは、シベリアに強制抑留されたある日本人が主人公の話。それは、著者の おざわ ゆき さんの父親である。

書店でこの本を手にしたのは、本当にたまたまだった。キャスター付きの小さなラックに他の本に混じり、見えていたのは背表紙だけだった。なぜか、それが気になって取り出した。

ページをめくるまで、時間がかかった。表紙の絵から目が離せなかったのだ。決して、緻密な描き込みがあるのではない。ひたすらリアルな表現でもない。優しく暖かい絵柄なのに、そこにある種の重々しさが漂っていたからだ。

そして、その重々しさというのは、著者の肉親である父親が体験した絶望であり、恐怖であったと知った。この作品は、おざわ ゆきさんが彼女の父親に丁寧な聞き取りを重ね、現存する資料が少ない中、数年の歳月を経て完成させたもの。

壮絶な、果てのない地獄が、静かに描かれている。劣悪な環境下での生活、過酷な労働、それらが原因で命を落としていく仲間、先の見えない絶望から大きくなっていく日本人同士の争い…。歴史の一部としか知らなかったシベリア抑留の事実。それが、著者の込めた思いと共に、ひたひたと感情に揺さぶりをかけてくる。伝えたいことが、一貫しているのだ。抑留を経験した人たちの声を、記憶を後世にも残したい、ということが。

自分が経験したことでもなく、また画像などの資料が全くといっていいほどない中、2年半という時間をかけて作り上げたことにも衝撃を受けた。
「作り上げる」、「伝える」ということを改めて強く考えさせられた作品。
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by komatsukyoko | 2012-10-19 20:17 | Books