ほんとの強さ
2012年 06月 20日
自信に満ち、泣き言なんて口にしない。苦難を物ともせず、非難を浴びようが、信念を貫いて目的に向ってひたすら邁進する。それが強さだと思い、そうでなきゃ、弱いんだと思った。
やけに他者を意識し始めた思春期の頃、目立つ同級生たちにはその強さが備わっているように見えた。羨ましく、妬ましくも感じ、そうではない自分が疎ましかった。
それは長い間、どこかに引きずったままだった。強くなるために、自分ではない何者かになる必要があるのだと思っていた。
でも、いつの間にかそれほど羨ましくも感じなくなっていた。
悩み続けたあの頃より、年をとったからかもしれない。その間に、涙も、助けを求める声さえも出ないほど打ちのめされたことがある。そんな、立ち直れないんじゃないかと思うくらいの痛みをくらっても、それでも身体中が笑顔になるほど、喜びを感じるのも同じ自分だと、気付いたからかもしれない。どこへ行こうとも、自分は自分でしかないことを思い知らされたからかもしれない。
うろうろしたり、ふりだしに舞い戻ったり、相変わらず、悩んだり迷ったりしている。いろんなことをやってきたけれど、いつでも新しい次の一歩は、怖いこともある。考え込んで、身動き取れなくて、苦しくなったり。でも、それでもやるのだ。
はじめっから、図太くて、何も気にせず、いつも力にみなぎっていたら。ここまでこれたかな。休み休み来たから見えた景色も、遠回りしたから身につけたものもある。強い孤独の中に落ちたことがあるから、人といられる喜びも大きくなる。
今は、昔よりも、自分の弱さを知っている。それはもう、隠すものでも否定するものでもなく、わたしの一部なのだ。それ以上でも以下でもない。弱さを見せないことが強さではないのだ。自分のやりたいことに素直なら、自然と進む力が生まれるはず。そして、その力こそ、自分を強くしてくれる。