苦手な数学に退屈しはじめた中学の頃、
国語の時間に、谷川俊太郎の詩に出会った。
地球のつながりを思い起こさせるそれは、
この教室の外、もっと遠くにも世界が広がることを教えてくれた。
ここからずいぶん離れた場所で、自分の知らない誰かが、
順番に朝を迎え、そして夜の始まりを体験している。
それを知ったとき、なぜかすごく救われた。
教科書や地図の中でしか知らなかった国々に、
いろんな人がいて、それぞれの生活を送っている。
そういう「命」を意識できたせいか、
世界地図がただの平面ではなくなった。
しーんとした、教室の中、
一人静かに心臓がどきどきしたのを感じた。
世界が、初めてつながったあの頃。
夢に見た憧れの土地へは、旅をしてきた。
あの頃、否定された夢も、ほとんど叶った。
少しは、あの頃の理想に近づけたのかな。
あきらめないで、よかった。
聞き分けの悪いわたしで、よかったんだ。
もっと、夢を見よう。
溢れるくらい、夢を見よう。
それが、はじまり。
2011年02月19日、
他のSNSに掲載したものを転載。
2年半近くを過ごしたオーストラリアから、帰国を決めた頃の日付です。
別のSNSに書いていた日記がありました。
海外に行きたいと思い始める前、
「まさか、行ける訳がない」なんて思い込んでました。
身近には、留学した人はいなかったし、旅行でさえも、どうやったら行けるのかさえわかりませんでした。
TVや映画で見る国は、ずっとずっと遠い国。自分の住む世界からは遠すぎると感じていました。
それが、「違うのかも」と気づいた時、やっと素直に夢を描き始められた気がします。